ゴッチの教養館
日頃感じた雑学の疑問を誰も教えてくれないから自分で調べました
潮の満ち引き 2004/04/10
 私みたいに、釣りを趣味に持つ人間にとっては、多いに関心がある「潮の満ち引き」。海釣りの場合 は、これがやたら釣果に影響したりするからだ。
 釣りをしない人間でも、これからの潮干狩りシーズンに向けて、知っていなくては恥をかく場合も有り得 るかもしれない。現に、潮干狩りに連れていってもらった子供たちならずとも、釣り歴30年以上の私にだ って、理解できない「潮の満ち引き」に関する不思議はある。以下、2点に関して自分なりに調べてみ た。
Q1) 月の引力によって、海面(海水)が引っ張られて満潮になるのは解るが、何故1日2回満潮と干潮 が起こるのだろうか? 月が地球を1周するのに要する時間は約25時間、ならば地球が月に面する部 分(一日1回)だけ満潮が起こるはずなのに。
Q2) 同じ満潮でも、日によって干満の差に規模の違いがあるのは何故だろう? 

A1) 潮の満ち引きは月の引力と関係があります。月がある側の海面では、月の引力に引かれて、海 水が盛り上がり、満潮になります。逆に地球の反対側の海では月の引力が弱いため、海水はとり残さ れたままで、やはり満潮になります。月と直角な方向では月の引力によって、月側に海水がひっぱられ るため、海水が低くなり、干潮になります。 つまり、月に面した海はいつも満ち潮です。その反対側は月 の引力の影響は弱いのですが、地球の自転の遠心力などにより、こちらも満ち潮になります。月は地球 のまわりを24時間50分かけてまわっていますが、海面はこの動きにあわせて、およそ12時間25分で満 潮から満潮へ、または干潮から干潮へ、高さが変わるのです。

 
 
A2) 潮の満ち引きの大きさは、太陽の引力とも関係しています。新月や満月のころは、地球と月と太 陽がまっすぐ並ぶので、月の引力に太陽の引力が加わって、潮の満ち引きが大きくなります。これを 「大潮」といいます。太陽が月の引力と直角な方向にある時、おたがいの力を打ち消し合い、満ち引き が小さい「小潮」になります。

    

 お解り頂けたでしょうか。ニュートンの発見した万有引力の法則が日常的に行われている訳です。そし て重力の主が月と太陽であり、その微妙な位置関係が地球上の微妙な「潮の満ち引き」を引き起こして いるわけです。前回掲載した「下弦の月 2004/04/03 の巻」の「月の満ち欠け」が今回のテーマと密接 にリンクしています。余談ですが、旧暦では「日」=「月の満ち欠け」=「潮の満ち引き」の公式が成り立 つ非常に便利なカレンダーでした。最後に、暦に登場する「潮の満ち引き」に関する各用語を解説してお きます。言うまでもなく、潮干狩りに適した潮加減は「大潮」です。

  「大潮 」: 潮の干満差の大きい状態で、新月(旧暦の1日頃)や満月(旧暦の15日頃)の前後数日間 のことです。
  「中潮 」: 大潮と小潮の間の期間で、旧暦の3〜6日、12〜13日、18〜21、及び27〜28日頃のこ とです。
  「小潮」 : 潮の干満差の小さい状態で、月の形状が半月になる上弦(旧暦の8日頃)や下弦(旧暦の2 2日頃)の前後数日間のことです。
  「長潮 」: 上弦、下弦を1〜2日過ぎた頃、干満差が一段と小さくなり、満潮・干潮の変化がゆるやか でだらだらと長く続くように見える小潮末期(旧暦の10日と25日)のことです。
  「若潮 」: 小潮末期の「長潮」を境に大潮に向かって、潮の干満差が次第に大きくなってきます。この ように潮が再び大きくなる状態を「潮が若返る」と言い、長潮の翌日を若潮と呼んでいます。 




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