ゴッチの教養館
日頃感じた雑学の疑問を誰も教えてくれないから自分で調べました
陪審員制度と裁判員制度(前編) 2004/05/30
 3月4日付けの「ひとRiごと」で掲載した「陪審員制度」が5年後を目途に、我が国にも試験的に導入さ れることが決定した。もっとも、、実際に導入されるのは「陪審員制度」ではなく、「裁判員制度」だという ことだ。
 全くの無知・無教養ゆえ、とんでもないデマをHPに掲載してしまった。管理人としても、ただ反省する 次第であります。とは言え、かつてから、諸外国の「陪審員制度」に興味・関心をもっていたからこそ、こ んな過ちを犯した次第である。「陪審員制度」すらご存じでない方々には、今回のコラムにアクセスする 必要はありません。少なくとも、今回導入される見込みとなった「裁判員制度」に関する誤解をお持ちの 方限定に提供するコラムです。
 まず陪審制とはどんなものでしょうか。
 これは、国民から無作為抽出された陪審員たちが、有罪か無罪かについての判定だけを下し、それ を受けて、裁判官が量刑(死刑とか懲役何年とか、罰金いくら)を決めるというものです。裁判官が行う のは訴訟の指揮と量刑の決定だけになって、有罪無罪の判断については陪審員のみが行いますから、 市民の意識が反映されやすいものとなります。また、市民に判断しやすいようなかたちで当事者が説明 を行うので、審理がわかりやすいものになります。
 その反面、問題とされている点もあります。1つは誤審の可能性です。例えば、1つの審理に対して、 仮に、複数のグループの陪審員が同時に判断を下したとして、100%の確率で同一の結果がもたらされ るものでしょうか。現・裁判官による裁判でも誤審は有り得ます。ましてや、法律に疎い一般人の下す判 断です。 
 2点目の問題としては、陪審で決定を行うと上訴ができなくなる上、判断の根拠が必ずしも明確ではな いと言うことです。陪審で出てくるのは有罪か無罪かという判断だけで、陪審員個々がどの事実を真実 とし、虚偽としたのかなんていうのも陪審員自身にしかわかりません。(後編に続く)




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